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希少種ヒキヨモギ -野津田公園の自然観察日記-

希少種ヒキヨモギ

希少種のヒキヨモギ

野津田公園では、ハマウツボ科のヒキヨモギがたくさん生育しています。ヒキヨモギの都内での生育情報は、はっきりしたものはあまりなく、近くでは富士山の裾野のススキ草地などに生育していますが、都市域周辺での自生は珍しく、都内で、これだけまとまって生育している場所は、他に無いのではないかということです。

残念ながら、国や都の絶滅危惧種の対象ではありませんが、先生の話では都の絶滅危惧種は、その存在があまり知られていないために、本来そうあるべきものが取りこぼされている場合も多く、ヒキヨモギもそういった種の一つといって良いだろうということです。
ちなみに、以前に先生が絶滅危惧種としても良いのではないかと言っていた種は、レッドデータの改定の時にすべて絶滅危惧種に指定されたそうですので、ヒキヨモギを東京都に絶滅危惧種として推薦してみるのも面白いかもしれません!!

里山に囲まれた野津田公園

自生の野草は、環境とセットである程度まとまって生育してることが重要です。いろいろな場所で樹林や草原の再生の取り組みが行われていますが、間伐、草刈りなどの管理を行っても、その場所や周辺の環境に供給元となる野草の個体群が存在しなければ、多様な草本種から構成される草原や、豊かな林床を持つ樹林を再現することはできません。

そういった観点からも、たくさんのヒキヨモギが生育する群生地は、周囲へ貴重な植物を供給するためのコアとしてとても重要だということが言えます。ヒキヨモギが群生する場所は、アマドコロなどの絶滅危惧種もたくさん生育しており、野津田公園の中でも特筆すべき環境であるといえます。
ヒキヨモギは8月に葉の脇に鮮やかな黄色い花を咲かせます。そろそろ、8月です。少し日差しは強いかもしれませんか、野津田公園の自然を眺めに行ってみませんか?

セイタカアワダチソウ

外来種セイタカアワダチソウとの戦い

北アメリカ原産で、日本では切り花用の観賞植物として導入された帰化植物(外来種)です。この植物が野津田公園に古くから自生しています在来種に多大な影響を与えています。辺りの在来種への影響を考えると、薬剤などは使用できず、数年前より徹底的な草刈り対策で、徐々にその数を減らしつつあります。

絶滅危惧種も生育する、東京都とは思えないほどの豊かな里山環境が色濃く残る野津田公園。
皆様もぜひ足を運んで見てくだい。

公園からのお願い

園内での動植物の採取は硬く禁じられております。
皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。